山行リスト/2023/3/19-20/穂高屏風岩1ルンゼ、慶応尾根
山行日 | 2023年3月19-20日 |
山域 | 北アルプス |
ルート | 穂高屏風岩1ルンゼ、慶應尾根 |
メンバー | 三ツ堀 |
記録
いつか行きたいと思っているルートがいくつかあり、その一つを狙って偵察に行きました。単なる偵察にしては、戦略的失敗もあり、かなりボロボロにさせられました。
初日の朝、坂巻温泉の駐車場に着くと、「満車」の表示。仕方なく沢渡の一番近い駐車場に戻り、そこからMTBでアプローチしました。
釜トンネルまでずっと登り、しかも前日の降雪で路面が凍結していたりで、かなり歩かされました。大正池からは除雪も入ってなく、乗車率は35%くらい。上高地まで結局1時間以上。ここまでで、50%くらいの気力を消費してしまった気分。そこから歩きで徳沢までは踏み跡もしっかりしていて夏時間よりややかかった程度。でも暑さにすでにバテ気味。初日は慶応尾根に上がるつもりで、宿泊装備は新村橋にデポし、横尾へ向かいましたが、踏み跡は薄くなり、デブリなども出ていて、横尾までかなり時間がかかりました。
横尾から先は単独と思われる踏み跡があり、それを辿って1ルンゼ押し出しを目指しますが、この踏み跡、ルートどりがなぜか右により過ぎ。ソロで屏風に向かったクライマーのものかと思いましたが、岩小屋から1ルンゼ方面には行っておらず、横尾本谷をそのまま詰めているようでした。
午後でかなり気温もあがり、時折雪崩の音が聞こえます。時間も押していたので、とりあえず1ルンゼを行けるところまでと思って、岩小屋から対岸へ。
沢の流れは雪で埋まっており、渡渉はなし。でも1ルンゼ押し出しと思われる場所は記憶になく
「これが1ルンゼか?」
と確信が持てぬままラッセルで詰め上がります。
「行けるところまで」という目標の曖昧さのせいか、ルンゼ地形になる前の地点で、樹林の間から屏風を垣間見て戻りました。
「たぶんここだろう」って感じで。
横尾までの戻りも結構辛くて、バテバテ。調子悪い。
横尾でしばらく休み、「冬季小屋泊まりにすればよかった」と後悔しながら、徳沢へ向かいます。
でも足は一向にすすまず、いよいよ調子は悪くなる。
もう動けなくなる寸前でやっと17時前に新村橋デポ地に戻りつきました。
とてもじゃないが、これから慶応尾根なんて上がれない。とはいえ徳沢に戻る気力も残っておらず、橋のたもとでテント泊。
吐き気がして食欲もない。
「このまま明日は下山かな」という気分。
なんとか夕食を腹に入れ、寝袋へ入るが、夜がまた冷えて眠れません。
2日目、朝起きると、ある程度体調は戻っており、とりあえず慶応尾根へ向かいました。
慶応尾根も以前の記憶がなく、スノーシューの踏み跡をたどって奥又白谷の中を登ります。
谷の中はモレーンのような巨大デブリが来ていて、氷河みたい。夏道(パノラマコース)通しからやや上流側の岳樺林の斜面を尾根に向かって上がりました。慶応尾根2200m地点に乗るまで新村橋から2時間。
尾根を30分ほど登り、屏風ノ頭がよく見える2350mあたりまで行きました。
前夜に慶応尾根に上がって屏風ノ頭まで行く計画でしたが、下から上がる羽目になったので、8峰に行くにも遠くなってしまいました。
日中は完全に春山の様相で、偵察はここまでにして薄着になって下山。
屏風から8峰経由慶応尾根下山のルートを確認でき、偵察としては一応成果を得ました。
ただ、山行としては失敗したところもありました。まず、夜気温が下がる予想で完全冬季装備で行ったため、日中の暑さにやられバテたこと、さらにラクだと思ったMTBアプローチがむしろ良くなくて、結果的に大いに疲弊。服装も装備も濡れて夜の気温低下で寒くて不快という。
気力のなさは、結局体力の不足からくるとも感じました。長い行動時間、厳しい登攀をこなすには、つねに快適にいられることを意識することですね。暑過ぎず寒過ぎない服装の調整、水分補給、必要以上にバテないペース。
これ登山の基本?
体力を鍛え直して、目標のルートをやれるところまで持っていきたいですね。