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2019/8/19/三俣蓮華岳-水晶岳-烏帽子岳

Last-modified: 2019-09-23 (月) 23:49:00 (25d)
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山行日2019年8月19日
山域北アルプス
ルート七倉ダム-烏帽子-烏帽子小屋(テント泊)-野口五郎-鷲羽-三俣山荘(山荘泊)-鏡平-新穂高
メンバー水流

記録

計画では上記ルートの三俣山荘から黒部五郎-薬師峠(テント泊)-薬師岳-折立へ下山。それから富山市内で海鮮を満喫し一泊した後、富山から羽田まで空路を使うゴージャスなプランだったが、、、



8/18 23:00 新宿発白馬行きのバスに乗る。
車内で気象庁HPで天気予報を確認すると太平洋高気圧の勢力が弱まり寒冷前線が南下して19-20日は荒れるが、21-23日は太平洋高気圧の勢力が回復して安定、信頼度もAランクとなっている。「19日は樹林帯を登るので風雨はそれ程大変では無いだろう。問題は20日で行動タイミングを良く見なければいけない。まあ、何にしてもこの日は修行だな、でも、三俣山荘までたどり着けば良い山行になるはずだ。」と、前半の荒天を覚悟し、後半の好天を夢見た。



8/19 4:00 七倉ダムを出発する。初っ端からカッパを着る事を覚悟していたが、幸い月が出ており暫く降水は無さそうだ。
高瀬ダムまで乗り合いタクシーが出ているが、ゲートの開門は5:30なので歩いた方が早い。タクシー待ちの人達を尻目に一人登山口を目指した。
高瀬ダムまでは退屈なトンネル内の歩行ばかりだったが1時間で堰堤上に着いた。空模様は予報とは違い青空で稜線も見えている。
裏銀座登山口で水を汲みブナ立尾根を登る。尾根には標高差100m毎に標識があり、ピークの烏帽子小屋が12番となっている。
眺望がある内に何とか稜線に出ようと息を切らして登るが6番辺りから稜線にガスが掛りだし、8番位で周囲も完全にガスに覆われてしまった。尾根からの眺望は期待できなくなったが雨に降られる事なく9:30頃烏帽子小屋に到着した。


この時間でこの日の行動を終えるのは勿体無いが、この先のテン場は三俣山荘までない。仕方なくテントを張り終え、烏帽子岳へゆっくりと向かい時折ガスの切れ間から薄っすらと見える立山方面を大岩の上でゴロ寝して眺める。小一時間程山頂で粘るもガスの状況は変わらず小屋へと戻る。小屋前のテラスでビールのプルトップを開けると手にポツリと当たった「あれ?ビールが跳ねたかな??」と思っていると顔にポツポツと当たった、すると周囲からまるでいきなりの突風が草木を揺らすようなズザザザザーと言う音がしたと思ったら、ドワッシャーーーと凄まじい雨が降り出した。テントまでは少々離れており濡れたくないので小屋に逃げ込みビールを啜る。メニューにカレーが有ったので注文するが食事は全て売り切れ、、、テントに戻れば食料もツマミも有るのだがヤハリ濡れるのはイヤなのでビールを追加する。3本飲み終える頃に小降りとなったので小屋番さんに挨拶してテントへ戻った。時刻は12:00頃だが、他にやる事も無いので翌日の早出に備えて食事を取り13:00頃には寝てしまった。18:00頃に激しい雷と風雨が煩く起こされたが耳栓を使って熟睡した。


23:30に目が覚めるとテントの外が明るい!月が出ている!!これは今のうちに進むべきだ。天候の急変に備えてキチンと食事を取りテントを撤収し0:50行動開始する。月は直ぐ雲に隠れてしまったが2時間くらいは下界の明かりと、薄っすらだが右に赤牛岳、左に表銀座の稜線が見えており気分的にユトリが出る。日中の好天ならさぞ気持ちの良い稜線だろうと想像する。
ズットそれが続けば良いのだがそんなに甘くは無かった。(2:30頃?)突然風が吹き付けたと思ったら一気にガスに巻かれ雨が降る。強い風の中の雨は容赦なく顔を打ち付けて痛い、、、耐風姿勢を取るほどでは無いが、揺らめきながら俯き黙々と進む。
3:30頃に野口五郎小屋へ到着し風のかわせる建物の影でしばし休息を取らせてもらう。人工物とは安心でき大変ありがたい物だと再認識する。


10分程の休憩で行動食を取り出発(寒くなってしまい)するも、ゴーロ帯で道を間違えてしまい暫く彷徨ってしまう。文庫本「黒部の山賊」の中に登山者をガスで惑わし遭難させる化け物の件が有る。なんか、その状態に近い、、、ケルンや○印のペンキを注意深く通ったのに道から外れたし、元の道に戻ろうとしても分からなくなって戻れない。
山賊の本ではどこからともなく「おーい」と聞こえた時にこちらも「おーい」と返事をしてしまうと、我を失いフラフラと絶壁へ連れて行かれてしまうので、「おーい」と呼ばれたら「やっほー」と返さなければならないとあった。もう、呼吸で息を吐くときは「やっほー」の連続である。
体感時間で15分ほど右往左往していたが、時は令和である。自己縛りで使わなかったGPSの出番だ。スマフォの電源を入れ起動、地図アプリを立ち上げて現在地を確認すると10m前方が登山道となっている。「はて?さっき行てみたはずだが??」その通りに進むとゴーロの凸凹に石を敷き詰めた立派な登山道に出た。方向感覚がおかしくなっていたのか、もう少しの所を進んでいなかったのか、何か非常識なモノに騙されたかは分からないが、無事ルート復帰し、野口五郎岳山頂に出た。するとスゥ~と雨風が止み、ガスが消え、暗くてハッキリとはしないが遠くの稜線が確認出切る程急激に天候が回復した。


真砂岳辺りで明るくなりヘッデンを切り、水晶小屋へ進む。左に湯俣の源流と槍ヶ岳(穂先は見えなかった)、右の稜線は線を引いたように雲に隠れているがその下に有る東沢の綺麗なカールと、予想外の眺望に癒され歩く。水晶岳は雲の中で確認できないが、鷲羽岳は見えその肩から雲が凄い勢いで流れ出ている。これから向かう稜線上も風が強い様だ。
東沢乗越しを通り水晶小屋へと登るとまた雲の中に入った。水晶小屋に付き「夜中歩き通した」と話すと「それは大変でしたね。ストーブを着けるからユックリしていって下さい」とありがたいお言葉に甘えて長居させてもらった(本当に有難かった!)。予定では水晶岳をピストンするはずだったが、下から山頂は確実に雲の中と分かっているのに行く意味を感じられず今回はパスして三俣山荘へ向かう。途中、鷲羽岳山頂を踏むか黒部源流を触るかで悩んだが三俣山荘まであと一息なので鷲羽岳山頂を取った。
山頂は結構な風が吹いている雲の中だったので写真を一枚撮ってとっとと下山する。


9:00 三俣山荘に到着し、取り合えず食堂に行く。食事を取りながら気象情報が欲しくてスマフォを使うが電波を拾わない、、、圏外だ、、、、(docomoなのに) 他の登山者と話をしていると、食堂と山荘は繋がっていて、一声掛ければ山荘の中には自由に入って良く、テレビのデータ放送で気象情報が得られるとの事。早速、山荘へ入りテレビを見ると下記の衝撃的な情報が写っていた。
①富山市に大雨洪水警報発令中 市内は冠水箇所多数で交通障害酷い
②翌21日の時系列天気予報は富山と岐阜共に 0-3 0-6 6-9 9-12 12-18 18-21 21-0全て雨 22日も同様
③雨雲レーダーは若狭湾辺りから長野まで真っ赤な線が何本も貫いており、線上降水帯となっている。
NHKのニュースは「避難指示に従え」「この状態は暫く続く」としきりに言っている。。。
後半の好天を信じていたここまで来たのに、、、心はポキッと折れた。折れたというか、さっさと下山しないと缶詰にされるかもしれない。
今日の内の下山を考えたが一番近い新穂高へ降りるにしても外は豪雨だし、何より足の余裕が無くこの日のうちは無理だ。
土砂降りの中でのテント設置と撤収はイヤだし、明日の行動開始を早めたいし、濡れた装備を乾かしたいので、この日は山荘に泊まる。


ベットに転がりながら、当初計画に沿って折立から下山するか新穂高へか迷う。が、富山市内は交通障害が出ているし、この状況では折立にバスが来ないかも知れないので、新穂高への下山を決めた。


少し寝て15:00頃外に出てみると晴れ間が来ていて、鷲羽岳の全容と表銀座から槍ヶ岳が見渡せたが30分程で霧の中になった。(少しは山がサービスしてくれたらしい)
翌日に備えて乾燥室の衣類を取り込みに行くとタオルが無くなっていた。他に干してあるタオルに似たものが無いので間違えようが無いし、翌日出発前にも見たが無かったのでパクられたらしい。多分、強風でタオルを飛ばされた奴が持って行ったのだろうが、こちらが風雨の中どうするんだよ、、、モンベルの1750円もするタオルなのに悔しいが、タオルは初日に着た半そでの服を代替すると決めて忘れる事にした。


その後、グッスリ眠って2:30に起きた。ベットは窓際だったので外を見てみるとハイマツが荒波のように揺れて雨が降り注いでいる。
3:30まで様子を見ていたが相変わらずなので、完全防備で出発する事にした。
カッパを着てフードを深く被り、防水手袋をして襟元、袖口を十分に締め込み外に出ると、、、雨は止み、風も止まっている。。。
歩き始めて5分後、、、暑い、、、手袋を脱いでカッパは袖まくり状態にした。


その後、何も写っていない鏡平を過ぎて、良く整備されていて歩き易い小池新道を降り10:00に新穂高温泉に着き、温泉に入り11:30松本行きバスに乗ってazusaで帰った。

4日間全て雨というのは初めての事で下山直後は「もう登山なんて辞める!」と思いましたが、数日経って今回ガスで見れなかった景色を見たくてしょうがなくなりました。
次こそは天候に恵まれて見れなかった景色を堪能できたらと思います。