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|山行日|2022年5月7日|
|山域|北アルプス|
|ルート|六百山|
|メンバー|小林、師田|
*記録
コースタイム: 河童橋6:06-主稜線8:30頃?-9:40六百山10:06-11:30頃小林さん滑落、休憩12:15-13:31河童橋
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六百山は河童橋を挟んで穂高と向き合う位置にあるがはっきり言って忘れられた山で登る人も極めて限られている.僕自身、大学1年の右も左も分からない夏の暑い日に、OBに連れられて登ったことがあるだけだ.その時の思い出は、頂上下の岩場で右か左か聞かれ”右”と言ってまだルートfindingができていないと言われたこと、六百山から霞沢岳への強烈な藪漕ぎ(当時はまだ徳本峠からの道はできていなかった)、そして強烈な日差しの中、八右衛門沢のガラを崩しまくって下降したことくらい.
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今回、初めて連休の時期に小林さんと行くことになったが、基本的に初めての山域、として準備した.河童橋手前のトイレ脇から山行開始.堰堤を二つ、左から回り込み中畠沢のルンゼに降り立つ.ルンゼを辿り雪渓が連続して現れるようになった時点でアイゼンを装着する.雪渓は途切れることもあったが、下部の二股から上は主稜線まで途切れることなくつなげることができた.雪渓は上部二股あたりから徐々に急になるが背景の穂高を楽しみながらゆっくり登る.朝で締まっており、アイゼンがよく効いてくれた.陽が射すようになったのは稜線下100mくらいまで登ってから.アイゼンを外し、微かな踏み跡を辿るが、所々に赤テープがあり迷うことはない.尾根の印象は松高尾根の木登りをもう1ランク上げたレベル.頂上稜線下の岩場を左から巻きハイマツ帯を抜けると頂上だった.K2, K1から霞沢岳へのルートが目の前だが、これは次回、もう少し雪のある時にと思い下降にうつる.
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長野県警山岳救助隊のヘリが目の前でhoveringして焼岳から岳沢に反転して行った.頂上下の岩場は岳樺を使って懸垂15m, 持参したのが30mザイルでちょうどだった.尾根を下降し、朝、主稜線に抜けた地点の若干手前でアイゼン装着して雪渓の下降に移る.雪は朝より明らかにザレてきている.足を取られないように上部の急斜面を下降.あともう一息で緩斜面帯、というところで小林さんが滑落.斜面に向き合い下降中にザレた雪に足を取られ、ピッケル制動も効かなかったとのことで(滑落した瞬間は見ていない)、僕のいたところから20mほど脇を落ちていく.幸い細いbushが雪上に多数出ているところだったのでそれでスピードが相殺され自然に停止した.自分で動いて斜面の露出していくところに移動するのが見えたので、大ごとには至っていないことを確信して直ちに小林さんのところまで下降.口唇と舌の裂傷があるものの、骨折や頭部打撲がなかったことを確認しまずは一安心(その後、左前腕の打撲も判明).その場でしばらく休憩を取り、落ち着いたところで小林さんを介助しながら残りの雪渓を下降、ガラを抜けて五千尺ロッジ脇に抜け出る.上高地ソフトクリームを味わい、無事に山行が終了したことを感謝.
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