トップ   編集 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS

2021/9/19/伊藤新道 の変更点

Top / 2021 / 9 / 19 / 伊藤新道

#author("2021-10-28T21:32:48+09:00","default:tac","tac")
|CENTER:150|CENTER:350|c
|山行日|2021年9月19-20日|
|山域|北アルプス|
|ルート|伊藤新道|
|メンバー|仙波、栗原、他1|



*記録

 先日、晴嵐荘の小屋主から、「今年の伊藤新道は水量が多くて、まだ突破した話を聞いていない。でもそろそろいい水量になってきた」と話を聞いた。
 心配していた台風の進路も、予報が二転三転の後に南に逸れ、前日の雨量もそれ程ではなくなったので、伊藤新道の登りルートを決行することにした。

 同行は栗原さんと会外者のSさん。このメンバーで登山はしているが、渡渉をするのは初めてだ。前日にトレーニングとして、膝上くらいの水量を使った渡渉練習と、ロープ確保のシステム練習をした。

 当日は噴塔丘での5m幅くらいの膝上渡渉から始まった。練習もあり、自信をもって渡れている。水量は通年より少し多い感じだ。勢いのある横圧を感じる。

 第一吊橋跡まで、数回の渡渉を繰り返す。一吊では腰の水量の渡渉になったので、ロープを出した。連携もよく、システムはスムーズに組めた。
 ガンダム岩のあたりはガレがひどいようだった。低いところは崩壊が進んで今年のコンディションは悪い。先の方では先行しているガイドパーティーが大高巻をしているのが遠目に見えた。我々もそれに倣った。50m強の急登をして、急下降で戻る。

 その後も数回の渡渉をしたが、途中の膝上渡渉の流心で、Sさんが足を滑らせ流されかけた。そこは深さの割に水量の勢いがあったので、私は渡った後に戻って、近くの岩でお助けポールを準備して立っていたので、すぐに助けて大事は免れた。

 最大の難関の第三吊橋跡では、ルート設定に苦労をした。流心では胸レベルの水量になり、強い横圧がかかる。
 まずは、へつりで突破しようとしたが、水量が多く断念。渡渉も4カ所ほどトライしたが、流心の弱点が無かった。時間が過ぎ、打つ手も無くなってくる。最後のトライでは、流心の前の水中岩の上に立ち上がり、流心は空中をまたいで向かいの岩に乗り越え、また水中に入るというルートで突破ができた。変則的だがいいルートが設定できた。
 そのルートは栗原さんはスムーズにクリアしたが、Sさんは苦労をした。最初は、水中岩に乗る前に足を不用意に上げて体勢を崩し、3mくらい流された。ロープをつないでいたので、岸に引き戻す。二回目では岩の上に立てたが飛び越しが十分ではなく、水中に落ちて飛び先の岩につかまった。そこからじりじりロープを頼りにへつりながら先に進んでなんとか渡り切った。
 その後、五吊まで何度も渡渉があったが、難所を経験した後なので、余裕でクリアできた。

 ルートの後半は一転して。はっきりしたルートの普通の登山道の山道となる。
 しかし五吊の後の茶屋への登山道入口の看板が倒れていて見逃してしまい、川を行き過ぎてしまった。そこで尾根道をショートカットして登山道に合流しようとしたが、それが間違いだった。100m程登ったところで斜面が柔らかくなり、かなり滑る。滑落の危険が出てきたので、懸垂下降を三回行い、川に戻る。かなり時間を使ってしまった。
 そこから少し下流に戻り、今度は倒れていた看板をみつけて立て直し、登山道に入った。

 登山道は茶屋と呼ばれる広場まで急登が続き、そこから赤沢まで下降し、また展望台まで急登が続く。皆は初めての渡渉とその後の急登で疲れてペースが上がらない。今のところは三時間の遅れだが、茶屋から後は歩くペースを落としていくことにする。またホイッスルを鳴らしながら歩き、熊よけとした。

 5時過ぎ、展望台手前で地震が起きる。震度は4強くらい。かなり強い。直下型なので一瞬足元がなくなるような浮きあがる振動がした。震源は穂高と笠ヶ岳の間くらい、10kmの地下。
 我々は皆、登山道の森の中にいて難を逃れる。周りの山からは、落石に伴う砂煙があちこちで上がっている。我々は、既に赤沢を越していてよかった。
 その後も度々余震が続く。震度は3以下だが、遠くから落石の音が響いている。登山道は主に森の中だが、時々露出が高い尾根筋やガレ場の下のトラバースもあり、要注意の場所が出てくる。小屋に着くまでに何度か余震が続いたが、幸いなことに登山道に顕著な崩れはなかった。

 展望台のあたりで、双六小屋経由の電波で三俣山荘に到着遅れと予定時刻の連絡を入れる。この後は、登山道のコースタイムの1.5倍の3時間半を目標にゆっくりとヘッドライトで進むことにする。歩く途中で、向いの谷間から見える山荘からライトの合図をもらったので、合図を返した。
 山荘へは9時に到着。寝る場所とごはんが用意されていた。大変有難い。

 伊藤新道は3度目だったが、いつもはソロでもう少し力技で突破をするところを、いろいろルートを工夫して楽しむことができた。途中ショートカットで無駄足を踏ませてしまったのは、皆にすまなかった。結果として後半のバテを招いた。
 今回は水量が多めで三吊が突破できるかわからなかったので選択肢に入れなかったが、もう少し水量が減ってきたら、初めての人には下りルートの方がいいかもしれない。総時間はかなり減らせると思う。