#author("2020-11-01T21:08:03+09:00","default:tac","tac")
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|山行日|2020年9月19-21日|
|山域|北アルプス|
|ルート|前穂東壁北壁Aフェース|
|メンバー|師田・小林|
*記録
9/19上高地12:15-16:45奥又白池
9/20 奥又白池5:50-8:15 D face基部-8:35登攀開始-12:05終了点-12:10前穂高岳頂上12:45-13:15 A沢下降点-14:40奥又白池
9/21 奥又白池6:35-10:35上高地
初日は上高地昼の出発でゆっくり奥又白池まで.上高地は日が射していたが松高尾根に取り付く頃には曇りとなった.おかげで松高尾根登りでバテずに済んだ.高曇りなので奥又白池すぐ手前の前穂東壁展望台(通称:天狗の踊り場)から東壁・4峰正面壁がよく望めた.
二日目の朝は高曇り.
アプローチ:C沢へは奥又尾根からでなく、奥又白池から北尾根5・6のコルへ向かう道を辿り、A沢からのガレの押し出しを途中まで詰め、草付き斜面を横断して下からのアプローチで奥又白本谷に入る.奥又本谷は雪渓歩きなしでC沢出合に到着.C沢は4峰正面取り付きへのルンゼを過ぎた先のChock stone脇の登りがいやらしい.C沢上部でインゼルに移り順調に高度を稼ぐ.曇天で汗をあまりかかずに済んだ.3・4のコルからのガレを横目にB沢にトラバースしそのままB沢をどん詰まりまで詰めD face基部に出る.
北壁:今回は慎重を期してD face基部でザイル出すが、結局normal route通常の取り付き点までビレーは取れなかった(D face都立大、信大、いずれの取り付き点にも何もなし).松高カミン、上のチムニーとも容易でないが順調に登攀.第2テラスへ通常の取り付き点から3pitchで抜けた.北壁登攀の後半から陽が射し、青空も覗くようになる.
A face: A face基部まで30mほどコンテ.A faceは1pitch目後半のハング下からカンテを回り込みペツルの支点に出るまでがそこそこ厳しい.そこからの2pich目、トラバース気味に斜上し、奥の方のチムニーに取り付くがここも予想以上に手強かった.頂上直下の終了点にはリングボルト.
A沢下降;前穂山頂で大休止後、A沢へ.三本槍を過ぎたところで下降点見つけるのに若干迷ったが、稜線上のケルンを見つけ、そこを越えると下又白谷源頭に出た.その先で下又白谷とA沢の踏み替え点(上の踏み替え点)を越えA沢源頭に立つ.A沢右岸を慎重に20mほど下行し、そのまま5mほどトラバースしてしっかりとした懸垂支点に辿り着く.25m懸垂でA沢中央に出る.後は本流沿いに下る.途中から右岸に移りA沢と奥又扇状地に続くゴルジェの踏み替え点(下の踏み替え点)を越える.ゴルジェは慎重にクライムダウンし、左岸から奥又尾根上の踏み跡に出る.後はトレースを辿り奥又白池に到着.当初の心配は杞憂に終わり、A沢自体は予想よりはスムーズに懸垂、下降できた.本日中に下山も可能な時間ではあったが休養兼ねてもう一泊とした.
最終日は期待した前穂東壁のモルゲンロートはイマイチだったが、ゆっくり下山.徳沢園でソフトクリーム堪能し、ついでに河童橋では五千尺ホテルのソフトも.帰路、風穴ドライブイン向かいの蕎麦屋で地産の美味しい手打ちソバを味わって松本へ.
A faceは学生時代に北壁コンタクト、右岩稜、あるいはBフェースからなど含めて5-6回は登っていますが、当時より明らかに難しくなってると思います(北尾根もそうですが).今年の群発地震による影響はほとんど感じませんでした.(ちなみに、北尾根は4峰の登りがだいぶ難しくなった、と聞いています.)