トップ   編集 凍結 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS

山行リスト/2023/2/11/尾勝谷塩沢右俣

Last-modified: 2024-05-04 (土) 12:24:17 (213d)
Top / 山行リスト / 2023 / 2 / 11 / 尾勝谷塩沢右俣
山行日2023年2月11-12日
山域南アルプス
ルート尾勝谷・塩沢右俣
メンバー丸山・原

記録

2/11 アプローチ
前夜出発のタイミングに南岸低気圧が重なった。その影響で中央道と国道20号も大雪で通行止めになり、前夜発の移動は絶望的な状態だった。翌朝土曜日の4時に家を出発。中央道は八王子ICから甲府昭和ICまで開通しその先は通行止めなので、甲府昭和ICからは全て下道で伊那まで移動した。道路の雪も大量に残り大渋滞を経て長谷村に到着したのは11:15。二俣1600m地点まで暗くなる前には到着したいが、甦黒川郷の碑で車道は通行止めのため尾勝谷方面の橋まで徒歩30分と大雪のため通常5時間の行程が増えることが予想される。甦黒川郷の碑付近は土曜日であるが工事作業中で申し訳ないが通行止め付近の路肩に駐車させてもらった。

1.jpg


11:30準備を整え出発。低気圧は過ぎ去り南アルプスは快晴で気温も高い。歩き始めるとすぐに汗が額から落ちてきた。久しぶりの75Lザックは25kgを超えている。

2.jpg


3.jpg


12:00尾勝谷方面の橋を渡ると道の整備が進んでいて、大堰堤まで工事車両が入れる状態になっている為、河原歩きはしなかった。大堰堤の階段は凍結していなかったので階段に設置されているハンドルを頼りにアイゼン無しで登っていく。その後の道も整備が進んでいて発電所まで2時間ほど。

4.jpg 5.jpg


塩沢に入ると雪の量が多くなり、すねあたりの深さになった。去年と比べ倒木が増えたため沢の中を何度も渡渉し左岸右岸を行ったり来たり高度が稼げない。昨日の大雪で雪崩れた箇所が多々あり、案外雪崩の上を歩いたほうが直進できるので楽である。1460m地点で日が暮れたのでちょうどよい平坦地を見つけテントを張ることにした。1600mの二俣まであと140mもう少しだった!こんな大雪の日にただでさえ長い尾勝谷のアプローチをラッセルしながら6時間休みなく頭脳フル回転ルート工作しながら歩き続けたのは完全にクレイジーだと思う。

6.jpg


7.jpg


夕飯はきりたんぽ鍋と牡蠣とキノコのアヒージョ。程よく満腹でお酒も程々に。テントの外は木漏れ日ならぬ木漏れ星で星々が眩しい。明日は2:30起床なので22時頃には寝る。

2/12 登攀
朝食を食べ3:50にテントを出発。二俣まで高度で140m上がらねばならない。ヘッデンの灯りを頼りにまた倒木を回避するためルート工作が始まる。登れば登るほど雪の深さは増し右俣に入った頃にはひざ上ラッセルになっていた。もう昨日から延々と続くラッセルに慣れ雪が深くなってもストレスは感じなかった(麻痺してた)。明るくなり始めた頃F1の70mナメ付近に到着。F1はどこにあるかもわからない程雪に埋まっていた。時刻は6:20。F2の45mは明確に立った氷なのでようやくクライミング開始。原さんリードで実質2段でロープ50m。弱点をついたライン取りだが登りごたえあり。

8.jpg


9.jpg


続いてF3は丸山リード。85度くらいの緩い傾斜なので中央を登る。このピッチもロープ45mで程良い疲労感。F4は小さかったのでロープを肩にたたんで通過。

10.jpg


11.jpg


F5は丸山リード。地形が分岐していて下から登ってくると右側(直進方向)へ進んでしまいそうだが、左に2段の滝があるので左へ進む。下部は氷と雪壁のスラブで上部はドーム状に盛り上がった氷で快適に登る。

12.jpg


13.jpg


フォローの原さんが登り終えたところで時刻は9:45。ルートはまだ続くが次はナメと歩きなのでここで切り上げることにした。
同ルートを懸垂下降し12:00テント着。
12:30下山開始、17:00甦黒川郷の碑に到着。

14.jpg


15.jpg


16.jpg




まとめ
今回の尾勝谷は2名だったので登攀スピードは速くなったが、南岸低気圧の大雪で高速道路は通行止め、塩沢のアプローチは倒木回避とラッセルに疲労困憊し二俣までたどり着けなかった。翌日のF1までのアプローチはラッセルのため2時間ロス、下山時間を多く見込み30分ロスしている。コンディションが通常だった場合2.5時間あれば、F10まで進めたのではと思う。
最終ピッチまで行けずに名残惜しい部分もあるが深い山域の手付かずの氷を登れたことは嬉しかった。大雪と倒木とロングトレイルの気の遠くなるようなマイナス要因の中で可能な限り頑張れたことがこの山行の成果だと思う。


添付ファイル: file13.jpg 118件 [詳細] file16.jpg 118件 [詳細] file15.jpg 118件 [詳細] file14.jpg 119件 [詳細] file12.jpg 120件 [詳細] file10.jpg 111件 [詳細] file11.jpg 117件 [詳細] file9.jpg 150件 [詳細] file8.jpg 133件 [詳細] file7.jpg 135件 [詳細] file6.jpg 142件 [詳細] file5.jpg 136件 [詳細] file4.jpg 133件 [詳細] file3.jpg 140件 [詳細] file2.jpg 151件 [詳細] file1.jpg 229件 [詳細]