山行リスト/2021/9/21/北岳
山行日 | 2021年9月21-22日 |
山域 | 南アルプス |
ルート | 北岳 |
メンバー | 水流 |
記録
ルート:
9/21 広河原 白根御池小屋 肩の小屋 北岳 間ノ岳 北岳 肩の小屋
9/22肩の小屋 北岳 肩の小屋 白根御池小屋 広河原
9/21は中秋の名月だ。天気予報は22日が雨だが21日は夜まで晴れると言っている。
当初の計画では、前回の裏銀座から見た笠ヶ岳が見事だったので、そこをと思っていたが、穂高の直下地震が有り、情報収集を行ったところ、崩落が有り、救助などで大変な事になっているかも知れないと思い、今は穂高に入るべきでは無いと判断した。
他に一泊二日で行ける山を検討した結果、去年はコロナで南アルプス林道の公共交通が止められ、事実上閉鎖されていた北岳へ行く事と決めた。
肩の小屋でのテン泊なら標高も高いので、さぞ美しい月が見れるはずである。
9/21 3:00に自宅を車で出発して芦安駐車場に4:15に着いた。客待ちをしている乗り合いタクシーに乗り広河原へ向かう。車窓から見えるモルゲンになった白根三山にテンション上がる。
広河原に到着して、センターで登山届を提出し、6:00登山開始する。7:30白根御池小屋を通過して草滑りを登る。ジグザクの急登で息が切れるが、真っ赤になったナナカマドと黄色く染まり始めたダケカンバの紅葉が癒してくれる。
9:20肩の小屋へ到着。時間に余裕があるので、今日のうちに間ノ岳へ行くと決め、早々にテントを張り、不要な荷物を置いて10:00に登山再開し10:20北岳山頂に至る。南アルプスの山々はもとより、北アルプスや上州の山々が遠望でき、南側の眼下には間ノ岳への見事な縦走路が隆々と続いている。
11:00北岳山荘に寄るとコロナで休業中だが小屋番さんが作業をされていた。「ベンチに座らせてもらってもいいですか?」と尋ねたところ「どうぞゆっくりなさって下さい。水も出ますから。」と温かい言葉を頂いた。距離をとって少々会話させて貰ったが、折角小屋の準備をしたのに8月20日から9月一杯は休業となりとても残念との事だった。
間ノ岳への縦走路は草紅葉の中、遠望に恵まれ快適に進み12:00間ノ岳を踏む。しかし、この頃からガスが出てきて、ピストンで北岳山頂に戻る頃には完全に真っ白となった中、肩の小屋のテントへ14:30戻る。
ベンチでビールを飲んでいたが、霧が酷くダウンがどんどん湿ってくる位だ。天気予報も時間が経つ毎に悪化していくと出ていたので回復は期待できないだろう。楽しみにしていた月見は叶いそうにない。
寂しいがテントの中で食事を取り18:30に寝た。
9/22 3:10に目が覚める。どれだけ降っているのかとテントのジッパーを開けると、何と雲一つない空が広がっている!まさかの好天に慌てふためく。今日の天気予報は雨なのでいつ曇天へ急変するかもしれない。サブバックに防寒着やジェットボイルなどのお茶セットを急いで詰め込み、ヘッデンが要らない程の月明かりの中、山頂を目指す。
4:00過ぎに山頂に着いた。西の空には見事な中秋の名月が大きく眩しいほど輝いている。雲海の絨毯に浮かぶ月はまるでこっちへおいでと招き入れているようだ。1時間ほど月を愛でると、今度は東の空が明るくなってくる。幻想的な夜明けの薄明光線を経て日の出となった。
たいへん神秘的な山頂での時間だったが、程なくしてガスに巻かれる。まるでエンドロールだ。素晴らしい美景に感謝し山頂を離れる。
テン場に戻り、撤収し6:30に下山開始する。これから天気の回復は望めないので、10:00広河原発のバスに乗ろうと一目散に降りると8:40に広河原へ着いた。乗り合いタクシーで芦安へ戻り、白峰の温泉に入り帰宅した。
夕方の濃い霧で諦めた時は相当に凹みましたが、翌朝は予想外な快晴の空の下で幻想的な夜と朝を体験出来て、短いながらも大満足な山行となりました。