山行リスト/2021/8/9/三斗小屋温泉
山行日 | 2021年8月9-10日 |
山域 | 那須岳 |
ルート | 三斗小屋温泉 |
メンバー | 相場、他1 |
記録
8/9 峠の茶屋駐車場〜峰の茶屋避難小屋〜三斗小屋温泉煙草屋旅館泊
台風10号から温帯低気圧に変わり日本海に抜けていく予報で初日は雨でも翌日は晴れ予報だった。
その後、低気圧は勢力を増して東北を横断して行くとはこの時知る由もなかった。
極楽温泉から地獄の稜線歩きへ、今後の参考の為に包み隠さず報告します。
三斗小屋温泉へは過去2回強風で断念したので3度目の正直。
駐車場に着いた時は風雨でロープウェイも運休。
温泉はキャンセルして北温泉に変えて明日の様子を見ようという私の意見に、パートナーはキャンセル料半額取られるし、峰の茶屋を越えれば樹林帯に入るから宿まで行けるはず、と意見が分かれたが結局出発。
風雨はそれなりだが、峰の茶屋は難なく通過できて2時間で宿に到着。
こんな日は誰も居ないだろうと思いきや、子連れを含む5組15人が宿泊していた。
長年の憧れだった三斗小屋温泉は料理はイマイチだが風情があり、風に吹かれながらのボッチ露天風呂はサイコーに気持ち良かった。
8/10 煙草屋〜大峠〜三本槍岳〜1900m峰〜朝日岳分岐〜峰の茶屋〜駐車場
携帯の電波が入らなかったが小屋の情報で午前は曇り、昼から晴れ予報のため予定通り出発。
増水した沢を3本通過、鬱蒼とした笹藪を抜けて2時間弱で大峠着、
雨、風も収まり青空が見えてきたので快方に向かっていると確信。
30分位歩いてまた風雨が強くなってきた。おかしいねと話しながら三本槍岳の稜線で凄まじい風に遭う。
山頂を何とか通過して、北温泉へエスケープしようとなった。
分岐に辿り着いた時はまた風雨が収まり明るくなってきた。
悩むも1時間半で峰の茶屋に着くのでそのまま縦走することにした。
この判断が災いした。
その後雨はあがったが強風は激しさを増し、湿原から1900m峰ではまともに立って歩けない位の状態に。
這うように1つ越えてまた1つと休みながらも決死の稜線越え。
命の危険を感じるようになる。
どちらかが転倒してケガをしたら動けなくなると思いながら朝日岳の分岐で進退極まった。
短時間で体力をかなり消耗した。
この先、30分剣が峰を越えれば峰の茶屋だが向かい風になる。
岩陰に避難してあるものを全部着込んで待機。
パートナーは、ツエルト被って抱き合ってれば大丈夫、と呑気で風が収まるまでしばらく待とうと言う。
その間にも体温が奪われていく。
過去に経験した低体温症や、トムラウシの大量遭難を思い出した。
強風に長時間晒されると一気に症状が進行する、こんな所でおやじと心中してなるものか!
動けるうちに出発だ!と、おかげで気合いが入った。
パートナーを叩いて怒鳴って引っ張りあげて歩き出した。
凄まじい風に翻弄されながらも、剣が峰は岩伝いに鎖が続いていたのでこのおかげで助かった。
峰の茶屋に命からがら無事到着。
下山して調べた地元の救助隊の情報によると、
那須岳は発達した低気圧の西側にあり等圧線は縦縞。北西の風が容赦なく那須岳に流れ込んでいてこんな時、那須の稜線ではまともに歩けたものではありません。
RWは強風で始発から止まり、予報では稜線の風は25m以上。とのことでした。
極楽温泉から一転!
天気の変化に狐につままれたかのように判断を誤り、悪い事が重なり、稜線で留まっていたら遭難、ただし救助にも来れない強風なので命を落としていたかもしれない山行でした。
下界の平和を噛みしめています。
ご心配お掛けしました。